TSMCの2026年Q1決算結果良し。AIが半導体の景色を変えた

決算まとめ

TSMCが2026年4月16日に第1四半期(1〜3月期)の決算を発表しました。
一言で言えば「売上・EPS・利益率の全項目でアナリスト予想を上回った」という非常に強い内容でした。
数字を順番に見ていきます。

売上高:359億ドル(YoY +40.6%)

四半期の売上高は359億ドル(約5.5兆円)で、前年同期比40.6%増という驚異的な成長率でした。
前四半期比でも8.4%増と、季節的に弱くなりやすいQ1としては異例の強さです。

アナリストのコンセンサス予想は355億ドルでしたが、実績はこれを約1.1%上回りました。
TSMCが1月に自ら示したガイダンスレンジ(346〜358億ドル)の上限も超えており、自社予想すら上回ってきた格好です。

EPS:1ADRあたり3.49ドル(YoY +55.7%)

ADRベースのEPSは3.49ドルで、前年同期比55.7%増。Zacksコンセンサス予想の3.31ドルに対して5.4%の上振れです。
売上の伸び以上に利益が伸びているのは、後述する利益率の改善が大きく効いています。
台湾ドルベースの希薄化後EPSは22.08台湾ドル、純利益 は5,724億台湾ドルでこちらもYoY+58.3%です。

利益率が異次元の水準に

売上総利益率(グロスマージン)は66.2%で、TSMCが自ら示したガイダンス(63〜65%)の上限を1.2ポイント超え、アナリストのコンセンサス予想との差は実に6.3ポイントという大幅なサプライズでした。
営業利益率は58.1%、純利益率は50.5%。売上の半分が純利益として残る構造で、もはや製造業というよりソフトウェア企業のような利益体質です。
売上・EPS・利益率の3点すべてで予想を上回り、中でもグロスマージンの超過幅が突出して大きかったというのが今回の決算の核心です。

何がこれだけ業績を押し上げているのか

プラットフォーム別の売上構成を見ると、HPC(高性能コンピューティング)が全体の61%を占めています。
これはQ4 2025の53%からさらに上昇した数字です。
AIサーバー向けの半導体需要が引っ張っている形で、NvidiaのBlackwellシリーズやAppleのシリコンなど、最先端チップの製造需要が急増しています。
一方スマートフォン向けは26%と縮小傾向で、AIがスマホを追い抜いてTSMCの主役になったことがはっきりと見てとれます。

Q2と通年ガイダンスも上方修正

来四半期(Q2 2026)のガイダンスは売上$390〜402億、グロスマージンは65.5〜67.5%を見込んでいます。
さらに通年2026年の売上成長率見通しも「30%超」へと引き上げられました。
これは以前の「20%台半ば」から大幅な上方修正です。
設備投資(CAPEX) も約560億ドルへ引き上げており、AI向け製造能力の増強に全力で投資していることがわかります。

株価は上値をブレイク

2026年4月25日時点のTSMC(NYSE:TSM)の株価は$402です。52週安値が$160.50だったことを考えると、1年で約2.4倍になっている計算です。
4月だけで見ても月初から約13%上昇しており、決算発表を起点に一気に水準が切り上がりました。

チャートの形状としては、非常に教科書的な「決算跨ぎの上放れ」です
決算を機に買いが大きく入り続け、新高値です。今の状態は誰も損になっていない状態なので非常に強い状態です

テクニカル面では50日移動平均線(約348ドル)・100日移動平均線(約329ドル)・200日移動平均線(約294ドル)がすべて現在値の下に位置しており、強い上昇トレンドが続いています。
RSIは61.74で過熱感を示す70には届いておらず、まだ買われすぎというほどの状況ではありません。MACDも買いシグナルを継続中です。

直近の注目ポイントは$415が上値ターゲットになると見られています。
一方、調整が入った場合のサポートは$373付近、その下は$365が意識されています。
アナリストの目標株価はNeedhamが$480、Barclaysが$470と、まだ20〜25%程度の上昇余地を見込んでいます。

P/E(株価収益率)は現在34倍前後で、過去5年の中央値22倍と比較すると割高感は否定できません。ただしこれはAI需要による利益成長が続くという前提の上に乗っている数字です。
地政学リスク(台湾有事)や上位3社で売上の45%を占める顧客集中リスク は常に頭に入れておく必要がありますが、業績のモメンタムと株価のトレンドはどちらも現時点では上を向いています。

まとめ

2026年4月16日に発表されたTSMCのQ1決算は、売上高YoY+40.6%、EPS YoY+55.7%、グロスマージン66.2%という製造業としてはほぼ異常値に近い水準でした。
AIインフラへの投資が世界的に加速するなか、その恩恵を最も直接的に受けている企業のひとつがTSMCだ ということが改めて確認できる内容でした。
株価は決算後に高値圏でのもみ合いが続いていますが、ガイダンスの上方修正とアナリストの目標株価引き上げが続く限り、中長期の上昇トレンドは崩れていないと見ています。

それでは、豊かな人生を。

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