「よくわからないけど上がっている株」として語られてきたPalantir(ティッカー:PLTR)。ただ中身を追うと、「見えにくい場所で本質的なインフラを握っている」会社だとわかります。
直近のQ1 2026決算では売上が前年比+85%と爆発的な成長を記録。NATOやウクライナでの軍事AIとしての採用も進み、地政学的なリスクが高まるほど需要が増える構造になっています。
何をやっている会社か
Palantirは2003年にPeter ThielらによってCIA出資のもと設立されたデータ分析・AIプラットフォーム企業です。主力製品は4つです。
Gotham
政府・軍・諜報機関向けのデータ分析プラットフォーム。異なるデータソースを統合し、テロ捜査や戦場での意思決定を支援します。米軍・CIA・FBIなどが使っています。
Foundry
商業企業向けのデータ統合・分析プラットフォーム。製造・金融・医療など幅広い業界でオペレーション改善に使われています。
AIP(Artificial Intelligence Platform)
2023年に投入した最新プラットフォームです。ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)を企業の内部データと安全に組み合わせて活用するもので、商業部門の爆発的成長を牽引しています。「AIPブートキャンプ」という独自の営業手法で、従来数ヶ月かかっていた導入決定を数日に圧縮しました。
Maven Smart System
軍事AI特化のプラットフォームで、ドローン・衛星・情報データベースを統合してリアルタイムの戦場判断を支援します。後述しますが、NATOに採用されています。
Q1 2026決算|あらゆる指標が予想を上回った
決算はこちらから
2026年5月4日発表のQ1 2026決算は、文字通り全方位ビートでした。
売上は$1.63B(前年比+85%)で、予想の$1.54Bを大幅に上回りました。調整後EPSは$0.33で予想$0.28超え。粗利益は前年比+100%の$1.42B、営業利益は+328%の$754M、純利益は+307%の$871Mです。
特筆すべきは米国商業部門の$595M(前年比+130%)。$1M以上の米国商業案件が139件と四半期最多を記録しました。AIPの導入が民間企業に急速に広がっている証拠です。
Q2ガイダンスは$1.8B(予想$1.68Bを上回り)、2026年通年ガイダンスは$7.65〜$7.66B(前年比+71%)。これも予想を大きく上回っています。
株価と決算後の動き
2026年5月5日時点の株価は$135.91。52週の値幅は$105.32〜$207.52です。アナリスト23人の平均目標株価は$191.96(Buy評価多数)で、現在値より約40%上の水準にあります。
決算発表後は好内容でしたが、現在は2025年11月の高値$207.52から約35%下の水準で推移しています。
直近で上がりすぎていたので、高値を切り下げていくようなチャートになっていますね。これはいまいちです

株価の歴史|から0への軌跡

Palantirの株価は、ここ数年で劇的な変化を遂げています。
2022年12月:$5.92(史上最安値)
金利急上昇・ハイテク株全般の暴落で底をつきました。「赤字のデータ会社に価値はない」という見方が支配的でした。
2023年:$10〜$20台へ回復
ChatGPT登場によるAIブームで見直しが始まります。AIPの発表が「Palantirが持っていたデータ基盤×LLMは相性がいい」という認識につながり、株価が3〜4倍に。
2024年:$30〜$60台、S&P500採用で急騰
黒字化の定着と高成長が評価され、2024年9月にS&P500への採用が決定。機関投資家が強制的に買わざるを得ない状況になり、株価は一段上昇しました。
2025年11月:$207.52(史上最高値)
米国商業部門の爆発的成長とAIPの普及加速が評価され、ピークをつけました。
2026年現在:$135.91
高値から調整しつつも、安値比では約23倍の水準を維持しています。
地政学的な注目|世界が不安定になるほど需要が増える
Palantirのユニークな点は、世界情勢が不安定になるほど需要が増える構造を持っていることです。
NATO採用:32カ国の軍事AIの「神経系」に
NATOの通信情報機関(NCIA)がMaven Smart SystemをNATO連合軍作戦司令部(ベルギーのSHAPE)に採用しました。NATOの調達としては異例の速さで、要件定義から契約まで6ヶ月。ドローン・衛星・情報データベースを統合し、32カ国の軍事作戦をリアルタイムで支援します。
ウクライナ:戦場AIとして実戦運用中
ウクライナ国防省は2026年1月、Palantirのインフラを基盤とした「Brave1 Dataroom」を開設。実際の戦場データ(熱画像など)でAIモデルを訓練し、迎撃ドローンなどの自律システムに活用しています。実戦で使われているという事実は、技術的な信頼性の証明にもなっています。
ペンタゴン:75件を0億の単一契約に統合
米国防総省との複数の契約が$100億規模の単一大型契約に統合されました。Palantirの「戦争プラットフォーム」が米軍の公式インフラとして位置づけられた形です。
英国:ロンドンを欧州防衛拠点化
英国政府との戦略的パートナーシップのもと、Palantirが£15億(約$20億)を英国に投資。ロンドンを欧州防衛事業の拠点として設立しています。欧州各国軍への展開もこの拠点を中心に進んでいます。
まとめ
Palantirは「よくわからない高PER株」として敬遠されてきた時期がありましたが、実態は政府・軍・企業のデータインフラを握るプラットフォーム企業です。
AIPによる商業部門の爆発的成長と、地政学的リスクの高まりによる軍事AI需要の拡大という2つの成長エンジンが同時に回っています。リスクとしてはバリュエーションの高さ(現在も高PER)と、政府契約への依存度の高さが挙げられます。
$6から$200まで上がった株が$135にいる今、「高値掴みなのか、まだ序章なのか」は引き続き追いかける価値がある問いだと思っています。
直近はとにかくデータセンター周りの企業の株が強すぎるので、資金が抜けているようにも見えますね
いつかまた見向きされるといいなって感じでしょうか
もう少し下がってきたら買いたいですね。そうでなければ無視したいと思います



コメント