BTC・ETHの崩壊とAI資金ローテーション。仮想通貨はもう一度日の目を見るか

クリプト

6月に入ってからクリプトの雰囲気がじわじわ悪くなっていています
チャートを開くたびにまた崩れてる展開が続いています。
単純な下げじゃなくて、いくつかの構造的な問題が重なってきている気がするので、今回は数字と背景をしっかり整理してみます。

まず現状の数字を確認する

6月頭の時点でBTCは$66,000を割り込み、$65,000前後まで下落。週間で12%超の下げです。
ETHはさらにきつくて、$2,000ラインを割り込んで$1,839まで落ちています。
週間11%超で$18.5億のデリバティブポジションが強制清算されました。

BTCが年初来-19%に対してETHは-27%。
クリプト市場全体の時価総額は、2025年のピーク$4.2兆から約$2兆が溶けた計算で、累計48%の縮小です。

BTC週足チャート

セイラー売却が「物語の終わり」を象徴してしまった

6月頭の急落のきっかけのひとつが、ストラテジー社(旧MicroStrategy)がBTCを売ったというニュースでした。
売った量は32BTCで約$250万、マーケットへの直接的な影響は誤差レベルです。

ただ問題は「セイラーは絶対に売らない」という市場の信仰が崩れたことですね
彼はストラテジー社(旧MicroStrategy)のCEOです。「BTCは絶対売らない、買い続ける」という姿勢で有名で、会社の資産のほとんどをBTCに突っ込んでいる超有名なBTCマキシマリストです。

その彼が売ることで、ただの数字ではなく、ナラティブが壊れた瞬間でした。
しかも皮肉なことに、セイラー本人が「これはAIへの資金ローテーションだ」とコメントを出しています
BTC最大の信者が、BTC売り・AI買いという流れを肯定した形になってしまいました。

ETHはBTCより弱い、構造的な理由がある

今回のポイントとして、ETHがBTCより大きく崩れていることがあります。
ETH/BTC比率が0.02835まで落ちて10ヶ月ぶりの安値です
2025年8月のピーク(0.04324)から35%以上下がっています。

ETH週足チャート

なぜETHがここまで弱いかというと、理由がいくつか重なっています。

①トークン供給の増加
以前はネットワーク手数料が燃焼(burn)されてETHの供給量が減る構造でしたが、Dencun upgradeでレイヤー2のコストが下がった結果、燃焼量が激減しました。
需要は分散したのに供給は減らなくなるという最悪の事態になっています

②企業トレジャリー買いがない
BTCはストラテジー等の企業が継続的に買い支えています。
ETHにはその構造がありません。機関の需要を下支えが薄いんですよね。ETFも微妙です

③ナスダック連動の高さ
ETHはBTCより投機的な資産として扱われているため、マクロが悪化すると真っ先に売られます
今回のFed利上げ示唆が追い打ちをかけました。

JPモルガンもレポートで「ETHがBTCに対する多年にわたるアンダーパフォームを逆転させるには、ネットワーク活動とDeFi採用の明確な改善が必要」と指摘しています。

チャートも下抜け

テクニカルで一番重要なのが$64,000〜65,000のゾーンです。
今年2〜3月に2回サポートとして機能した水準で、ここが最後の砦になっています。

日足レベルではすでに上昇トレンドラインを明確に下抜け。
BTC/JPYで見ても115万〜120万円帯から107万円台まで一気に崩れています。
テクニカル指標を見ると、30項目がベアシグナル・ブルシグナルはわずか4項目という状態です

$64,000を割ると次の明確なサポートは$60,000まで見当たらない状況です。
ここでRSIとセンチメント指数が「極度の恐怖」まで落ちたときに反発が出るかどうか、というのが現時点でのシナリオです。

なぜ今、半導体に資金が流れているのか

セイラーが言及した「AIローテーション」ですが、数字でも裏付けられています
直近6ヶ月で$4,000億がAIインフラに投下されていて、一方で米国の現物ビットコインETFからは5月中旬以降$40億が流出しています。

NVIDIAは直近決算で売上$820億(前年比+85%)を記録、データセンター事業が売上の90%超を占めています。
AI加速器市場のシェアは85〜92%です。ここまで「なぜ上がるかを説明できる」資産となると、「なぜ上がるかのストーリーが弱い」クリプトから資金が逃げるのは自然な流れかもしれません。

さらに米国・イランの地政学リスクで原油が上がり、インフレ圧力が強まってFRBの利下げが遠のいた(一部では利上げ示唆まで出ている)というマクロ環境も、投機資産には逆風です。

個人的にどう見ているか

正直、今は無理にポジションを積む場面ではないと思っています。
$64,000を割ったらどこまで崩れるか読めないし、8〜9月という季節的に弱い時期も控えている状態です
$60,000台で少し拾いながら、半導体を厚めに持つというのが今のスタンスです。

ETHに関しては、構造的な弱さが解消されるまでは慎重に見ていたほうがいいと感じています。DeFiやL2の利用が本格的に伸びてburn量が戻ってくるかどうか、そこが転換点になると思います。

クリプトが死んだわけではないですが、「今が旬」ではないのかなというのが率直な感想です。

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