「宇宙株」と聞くと、どうしてもロマン枠・夢枠に分類してしまいがちです。
ただしRocket Labはもう少し現実的な宇宙銘柄です。
2026年Q1に四半期売上が初めて$200Mを突破し、受注残は$2.2Bに到達。
打ち上げ成功率は100%を維持。宇宙機器の販売事業は、ロケット打ち上げ事業の規模をすでに大きく上回っています。
今回はRocket Lab(ティッカー:RKLB)の2026年Q1決算、Neutronの開発状況、SpaceXとの比較、株価の動きを整理してみます。
Q1 2026 決算結果
2026年5月7日に発表されたQ1 2026決算です。
| 指標 | 実績 | 予想 |
|---|---|---|
| 売上高 | $200.35M(ビート、+63.5% YoY) | $189.68M |
| EPS | -$0.07(予想同じ) | -$0.07 |
| 調整後EBITDA損失 | -$11.8M(改善) | — |
| バックログ | $2.2B(+108% YoY) | — |
公式プレスリリース:Rocket Lab Announces First Quarter 2026 Financial Results
売上がガイダンス上限の$200Mにぴったり達し、そこから$0.35M上積みしてのビートです。EPSは赤字ですが前年同期の-$0.12から-$0.07へと改善しています。
バックログが前年比+108%というのは驚異的で、受注が売上成長を大きく先行している状態です。
受注がまだたくさんあるということは今後の売上も継続して期待できるということですね
Q2 2026のガイダンスは売上$225〜240M(アナリスト予想を約12%上回る水準)で、成長加速が続く見通しです。
決算後の株価の動き
2026年5月9日時点、決算終了後にRKLBの株価は$105まではねました

- 52週最安値:$20.23
Q1 2026の決算発表(5月7日)後、株価は+20%超上昇しています。
上場最高値でして、持っている人が誰も含み損になっていない状態なのでこれは非常に強いですね!
売上の大幅ビートと過去最高のバックログ$2.2B、そして強いQ2ガイダンスが評価された形です。決算前の1ヶ月間も+25%程度上昇しており、好業績への期待が先行していたなかでも発表後に追加で上昇しました。
ATHの$99.58(1月16日)からは現在約16%下の水準で、アナリストの平均目標株価は$87.56です。
直近の業績推移|数字で見ると地味に強い
2025年の通年売上は$602Mで前年比+38%。Q4単体では$180Mと当時の四半期最高を記録していましたが、Q1 2026でそれを更新して$200M超に到達しました。
Q1 2026の特筆点をもう少し掘り下げると:
- Electron・HASTEの新規受注が31件(四半期最高)
- 史上最大の打ち上げサービス契約を獲得(Neutron 5機+Electron 3機、非公開顧客)
- Q1だけで2025年通年を上回る受注数
- $190Mの米国防省HASTE契約(20回分、MACH-TB 2.0プログラム)
- Mynaric AG(レーザー光通信端末)の買収完了
バックログ$2.2Bは、現在の年間売上ペース($200M×4=$800M想定)の約2.75年分に相当します。つまり今後2〜3年分の売上がすでに確定している計算で、収益の視界が非常に良い状態です。
ロケット会社ではなく、宇宙インフラのサプライヤー
スペースシステム部門:売上全体の約67%
打ち上げサービス部門:売上全体の約33%
打ち上げよりも機器販売の方が売上の2倍。これがRocket Labのユニークな点です。
スペースシステム部門が手がけているのは、ロケットではなく衛星に搭載する部品や機器です。リアクションホイール、スタートラッカー、太陽光パネル、衛星間通信ラジオ、分離システム、管制ソフトウェアなど。衛星を作るときに必要な「中身」を幅広く供給しています。
顧客はNASAや米国防省のSpace Development Agencyが中心で、長期の政府契約が収益の裏付けです。宇宙産業全体が拡大するほど衛星の製造数も増えるため、需要は構造的に増加していく事業です。
打ち上げ単価も2024年の$7.8Mから2025年は$8.5Mへ上昇しており、実績に裏打ちされた価格支配力がついてきています。
Neutronロケット|飛ぶ前から大型契約が積み上がっている
Rocket Labが現在開発中の新型ロケット「Neutron」は、2026年後半の初打ち上げを目指しています。既存の小型ロケット「Electron」とはまったく別格の機体です。
全長43メートル、9基の自社製Archimedesエンジン(液体酸素+メタン燃料)を搭載し、打ち上げ推力は約670トン。
搭載できるペイロード能力は最大15トン(使い捨て時)、再利用構成でも13トンを低軌道に運べます。
再利用前提の設計で、第1段は打ち上げ後に洋上のドローン船「Return On Investment」に着陸して回収します。フェアリングも独自の開閉式構造「Hungry Hippo」で回収・再利用できる設計です。
Q1 2026時点での開発状況:
- ステージ1のタンク部品が自動繊維積層機(AFP)から出荷開始
- NASAのステニス宇宙センターでArchimedesエンジンのホットファイア(燃焼試験)を継続中
- Q1だけで新たにNeutron 5機分の契約を獲得(史上最大の打ち上げサービス契約含む)
- Anduril・Raytheon(宇宙ベース迎撃システム)との防衛契約も獲得
まだ飛んでいない段階でこれだけの契約が積み上がっているのは、開発の信頼性への評価です。2026年は3回、2027年は5回の打ち上げを計画しており、Neutronが予定通り飛ぶかどうかが今年の最大の注目点です。
SpaceXとの比較|規模と割合が違う
売上(2025年)
SpaceX:約$185B
Rocket Lab:約$602M(SpaceXの約3%)
時価総額
SpaceX:約$1.75T
Rocket Lab:約$510B(SpaceXの約3%)
売上規模と時価総額の比率がほぼ同じ3%というのは、市場がRocket Labの成長性をSpaceXと同等に評価しているとも読めます。
ビジネスの方向性は異なります。SpaceXはStarlinkの衛星インターネット事業が主力でもうすでに黒字化しています。対してRocket Labは政府・防衛向けの打ち上げと宇宙機器販売に特化しており、アナリスト予想では2027年に黒字転換、2028年に純利益$160Mが見込まれています。
どちらが良い悪いではなく、宇宙産業の異なる部分を取りにいっている2社という見方の方が正確です。
私自身この銘柄はSPAC時代から追いかけており、思い入れのある銘柄です。株価の乱高下は激しいので持つ量は少なく、下がったときに買いに行くスタンスで向き合っています。
まとめ
Rocket Labは「宇宙に夢を持つ人が応援する株」ではなく、事業の中身を見て買える段階にきていると思います。Q1 2026で初の$200M超を達成し、バックログも$2.2Bと2年分以上の売上を積み上げました。Neutronが飛ぶ前から大型契約が入っている事実はその開発への信頼を示しています。
宇宙は現在「第四の戦場」として各国が覇権を争うフィールドです。この意味でも宇宙銘柄を持っておくことに意味があると感じています。
Neutronの初打ち上げが予定通り2026年後半に実現するか、引き続き注目していきます。



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