昨今の半導体AI関連の狂乱相場で資産1億円を突破した人も多いと思います。
数年前のFIREブームもあって、これくらいの資産額になると仕事の意味や今後の人生について考えてしまいますよね。
例えば有名な三菱サラリーマンさんは2019年に資産8000万円で仕事をリタイアという形をとっています。この頃とはインフレが桁違いなので、今だと資産1億弱でリタイアのような感覚でしょうか。
彼が面白いのは、リタイア後も発信を続けてそれが仕事になっているところです。「仕事を辞めた」はずが、形を変えて何かをやり続けています。
これはFIREした人の多くに共通していて、完全にゼロになる人はほとんどいないですね(それがいくつかの飯の種でもあるのでしょう)
別に今の仕事を辞めなくてもいい。でも、このまま同じように続けることが正解なのか、と。
マズローで言うと上2段の話

有名なのがマズローの欲求の分類です。この特徴は、必ず順番があり下から満たさないと上に行けないという点ですね。
下の生理的欲求、安全欲求はもう満たされています。家族がいて、住む場所があって、食うに困らない。1億という数字はそこを保証してくれるものです。
そこからの問題が社会的欲求。これは所属から得られるもので、家族がいればある程度満たされます。ただ、会社という「所属」も意外と大きいですよね。
残っているのは承認欲求と自己実現欲求。問題は、この2つが混ざっていて自分でも区別しにくいことです。
「社会の役に立ちたい」は本物の気持ちだと思います。でも同時に、「すごい人だと思われたい」「肩書きや実績で一目置かれたい」という気持ちも確実にある。
自己実現を語りながら、実は承認欲求で動いていることは多い。お金の不安がなくなると、この2つがより鮮明に見えてきます。
特にFIREすると会社とのつながりがなくなり、肩書きが失われます。「〇〇社の××です」という自己紹介が使えなくなって自分がたいしたことない人間だと気がついたという話をFIREした人から聞きます。
LinkedInとかで頑張ってきた人には特にマイナスでしょう。
また大学の同期や会社の同期がバリバリ働いて出世しているのを横目に、なんだかなと思うこともあるでしょう。
その感覚が承認欲求なのか、それとも「自分もまだ何かできるはずだ」という自己実現の欲求なのか。たぶん両方が絡み合っていて、きれいに分離できるものではないと思います。その先にある自己実現とは一体何か、というところです。
育休で考えていくつもり
2人目が生まれたタイミングで育休を取る予定です。子どもと向き合いながら、家族と一緒にいる時間が増えて、仕事から少し距離を置きます。
そうすると「あ、自分は仕事が好きだな」と気づいたり、「でも今やっていることが本当にやりたいことかは別の話だな」と思ったりします。これは最初の子の時もそうでした。
2人目の育休では「どんな仕事が好きか」まで掘り下げたいですね。子どもの寝顔を見ながら、この子に何を見せたいかを考えると、意外と答えが出てくる気がしています。
育休はキャリアのブランクではなく、自分が何をしたいのかを整理する時間として機能します。子どもとの時間は、そのまま「何のために働くのか」を考える時間と重なっています。
仕事はなんらかの形でやっていくが
「もう働かない」という選択肢は、たぶん選ばないのではないかと思います。
まず普通に子供が二人いるなら1億円ごときでは足りない。最低100万ドルは欲しいですよね。インフレ、教育費、老後、と積み上げると1億は通過点です。
その点も踏まえつつ、仕事を完全に手放した状態は想像するより早く飽きそうだし、社会との接点を失うのが難しい。子どもに「仕事で自己実現している」姿を見せたいという気持ちもあるのかもしれません。
なので問いは「働くか働かないか」ではなく、「どんな形で働くか」になってきます。
これが本当に難しいですね。今の仕事をそのまま続けるのか、転職するのか、副業を本業にするのか、全然違う何かを始めるのか。
あるいは海外に逃げるのか。実際、資産があれば東南アジアや欧州でフリーランスとして働きながら暮らすという選択肢はリアルになってきます。
ただそれはそれで、子どもの教育や家族の合意という別の問題が出てくる。
お金の制約がなくなると逆に選択肢が広がりすぎて、どれが本当にやりたいことかわからなくなるのです。
1億円は「逃げる権利」ではなく、「問いを先送りにできなくなるタイミング」なのかもしれません。それまではお金のために働けばよかったのが、1億を超えると「じゃあ本当は何がしたいの」という問いに、正面から向き合わざるを得なくなります。
子どもとの時間を大切にしながら、なんらかの形で仕事を続けていく——その「なんらかの形」を見つけることが、たぶんいちばん大変なことです。
幸せなことに、このように考える権利があるのなら、じっくり考えていきたいですね。



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