eMAXIS Neo 宇宙開発というファンドが2026年4月17日から新規購入できなくなりました。
理由は「人気がありすぎて資金が集まりすぎた」から、すなわり純資産が730億円を超えて、小型の宇宙関連株に忠実にインデックス運用するのが難しくなったということです。
既存保有者は持ち続けられるし換金もできますが、新しく買いたい人はしばらく買えません。
私もこのファンドを持っているので、せっかくなので組み入れ銘柄を一つひとつ見ていこうと思います。
どんなファンドか
三菱UFJアセットマネジメントが運用するファンドで、「S&Pケンショー宇宙インデックス」への連動を目指しています。宇宙ビジネスに関わる米国株29銘柄で構成されており、ロケット打上げ・衛星通信・地球観測・宇宙向け部品メーカーまで宇宙産業全体に幅広く投資できます。
基準価額は2026年5月28日時点で68,059円。2025年の年間リターンは+57.8%、2026年も年初から+40%近く上昇しています。過去1年でほぼ2倍というペースです。素晴らしいですね

組み入れ銘柄トップ10
1位 Planet Labs(PL)— 6.9%
「地球を毎日撮影する」というコンセプトで立ち上がった衛星観測の会社です。600機超の衛星を低軌道に展開して地球全体を毎日スキャンし、農業の作況確認・エネルギー施設の監視・安全保障など幅広い分野にデータを販売しています。
直近の決算は売上$86.8M(アナリスト予想$78.2Mをビート)、前年比+41%と好調です。株価は$52.80前後(2026年5月27日時点)。
これが組み込み一位なのは少し意外ですね。利益はまだ赤字ですが、売上の伸びは本物です。
2位 Intuitive Machines(LUNR)— 6.7%
NASAの民間月面着陸プログラムの主役です。2024年に「オデュッセウス」を月面に軟着陸させ、民間初の月面着陸を実現しました。
月面通信・ナビゲーション・物資輸送など、月の「地上インフラ」構築を一手に担うポジションを固めつつあります。
2026年Q1売上は$186.7Mと過去最高を更新、通期ガイダンス$900M〜$1Bと急成長中です。株価は過去3ヶ月で+124%と宇宙株の中でも特に激しい動きをしています。
NASAの予算次第で振れ幅が大きいのが難点ですが、月面経済が本格化するなら一番面白い銘柄かもしれません。
3位 Iridium Communications(IRDM)— 5.5%
衛星携帯電話・衛星IoTの老舗です。低軌道に66機の衛星を持ち、砂漠でも海上でも北極でも繋がるという特異な強みがあります。NASAや軍・海運・航空分野でのIoT通信に幅広く使われています。
2026年Q1はEPSをミスしましたが、通期ガイダンスは据え置きです。
それよりもSpaceXのIPO観測と、AmazonがGlobalstar株に$11.5Bの投資を表明したことで衛星通信セクター全体が盛り上がり、過去3ヶ月の株価は+64%近く上昇しています。
4位 BlackSky Technology(BKSY)— 5.0%
Planet Labsに近い衛星観測の会社ですが、こちらは解像度35cmの「戦術ISR(情報・監視・偵察)」に特化しています。第3世代衛星(Gen-3)を展開中で、軍や各国国防省向けに使われています。
2026年Q1売上は$20.8M(前年$29.5Mから減少)、赤字も拡大していて数字は正直冴えません。
ただ空軍研究所との$99M IDIQや国際国防省との$25Mサブスク契約など新規受注は積みあがっており、通期ガイダンスを引き上げています。Gen-3の本格採用が始まれば数字が変わってくるかどうかがポイントです。
5位 Rocket Lab(RKLB)— 3.9%
宇宙銘柄の地位を着実に固めている会社です。ニュージーランド発のロケット打上げ会社でしたが、今では衛星部品・バス製造も含めた宇宙システム全体を手がけています。
2026年Q1売上は$200.3M(前年比+63.5%)と過去最高、バックログは$2.2Bと1年で倍増しました。Raytheonとともにゴールデンドーム(宇宙ベース迎撃システム)のデモプログラムにも選ばれています。
決算翌日の株価+34%はさすがに派手でした。このファンドの中では一番安心感があります。
6〜10位 宇宙インフラの縁の下
6位のMoog(MOG.A、3.8%)はロケットの方向制御や衛星の姿勢制御に使われる精密モーション部品のメーカーで、NASAやLockheed Martin向けに長年実績があります。7位のESCO Technologies(ESE、3.6%)は電磁波シールドや試験装置が主力で、宇宙・防衛機器に多く使われています。
8位のRedWire(RDW、3.6%)は宇宙向け構造材・電子機器の製造会社で、2026年Q1売上$97M(+57.9%)と地味に急成長中です。最近はドローン契約も取っていて面白い動きをしています。9位のDucommun(DCO、3.6%)と10位のTTM Technologies(TTMI、3.4%)は航空宇宙向けの構造部品とプリント基板メーカーで、どちらも防衛需要を着実に拾っています。
なぜ今年+40%なのか
大きく3つのテーマが重なっています。
まず防衛費の増加です。トランプ政権と地政学リスクの高まりで、宇宙の軍事利用(偵察衛星・通信衛星・迎撃システム)への需要が爆発的に増えています。RKLBのゴールデンドーム関連もBKSYの国防省契約もこの流れです。
次にSpaceXのIPO観測です。SpaceXはまだ未上場ですが、IPO観測が出るたびに宇宙セクター全体が盛り上がる傾向があり、IRDMの急騰もその一因です。
もう一つは商業宇宙の急拡大です。RKLBのバックログ倍増が象徴するように、政府系だけでなく民間の衛星需要が本格化しています。月面や低軌道での商業活動が現実のものになってきました。
どう考えるか
購入停止になったことで不安になる人もいると思いますが、「資金が集まりすぎた」という理由は悪い知らせではないですよね。ファンドの中身がおかしくなったわけでも、運用会社が問題を起こしたわけでもないです。
ただ、組み入れ銘柄の多くが小型の赤字成長株なので、個別の振れ幅はかなり大きいです。BKSYは売上が減っていたりするし、LUNRはNASA予算次第で40%以上動いたりします。
テーマとしては面白いのですが、宇宙産業はまだコスト高で採算化に時間がかかる銘柄も多く、楽観的になりすぎないほうがいいとも思っています。
もし今から宇宙に投資するなら、個人的にはRKLBを個別で少し持つのが好みです。売上が確実に伸びていて、防衛×商業の両方に絡んでいるのが魅力的です。



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